【シラバス基本情報】
科目名 | 社会学 | |
担当教員 | 堀江 俊一 | |
配当年次 | 3年 | |
履修方法 | 選択 | |
開講時期 | 後期 | |
授業形態 | 講義 | |
単位数 | 2 | |
備考 |
【授業目標】
人間は社会的動物として、社会(群れ)の中で様々な社会的関係のシステムを形成してきた。しかし、現代社会ではこのシステムがあまりに高度に複雑化し、「一人で生きていける」かのように思われるに至っている。しかし、関係性の消失は、一方で孤独や戸惑いの蔓延を社会にもたらしている。この授業では、「家族」という基本的な小社会を例にとり、社会関係が本来持つ役割を理解するとともに、受講生が今後現代社会で生きていくために必要な「人間力」の獲得を目指す。
【到達目標】
人類の構成してきた家族の多様性を理解したうえ、現代日本社会における家族の実態と今後の問題点を理解する。
【授業計画】
授業は大きく五部から構成される。各部はそれぞれ2回から4回の授業よりなる。
第一部<家族の多様性>
家族は決して均質なものではなく、世界の各地には様々な形態の家族をみることができる。ここでは、世界 の各地域の人々が形成してきた、さまざまな形態の家族を比較検討することを通して、家族に関わる種々の基礎的な概念の理解を目指す。
第二部<日本の伝統的家族>
日本の伝統的家族は決して均質なものではなかった。ここでは、日本にかつて見られた(一部では現在も続いている)家族の多様性について検討し、日本社会の特質を理解するための手掛かりとする。
第三部<日本の近代家族>
明治期の「文明開化」以降、それ以前とは異なる性質を持つ家族(近代家族)が形成されていった。本部で はその形成過程を詳しく検討することにより、現在の我々が考える「当たり前の家族」の本質を理解すること を目指す。
第四部<現代の家族>
ここではまず、現代日本における家族の姿を「正確に知る」ことを目指す。そのために、1960年代以降の経済高度成長期に起きた、家族をめぐる巨大な環境変化を理解する。過疎化・過密化が現代家族にいかなる影響を及ぼしたかを理解し、その後現在に至る「家族をめぐる諸問題」の根源を知る。その後、1970年代以降の国勢調査に現れた家族の姿を経年的に検討する。この知識を基礎として、現在大きな社会問題となっている「少子化」、「高齢化」、「単身世帯の激増」等について正しい知識を獲得することを目指す。
第五部<家族の将来像>
ここでは家族をめぐる将来的問題点について、社会学的に検討する。これを通して、未来の家族像を考える とともに、望ましい社会関係の在り方について検討を加える。
【履修上の注意(含予習・復習)等】
受講者の質問には積極的に応えるつもりでいるので、興味のある学生の受講を希望する。なお、内容が広範囲に及んでいるため、欠席すると授業の流れがつかめなくなる可能性があるので、留意してもらいたい。積極的な学生の受講を望む。
【成績評価の方法と評価割合(%)】
授業の節目(各部の終わり)で簡単な「小レポート」(授業内容のまとめ)を3回書いてもらう。また、授業終了時に「期末レポート(3000字程度)」を提出してもらう。成績は両者を合計して評価する。
配分は、小レポート1回10%×3回=30%、期末レポート:70%とする。
【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)
用いない。
授業中随時紹介する。また、必要な資料はコピーを配付する。