【シラバス基本情報】

【授業目標】

　本授業を受講することによって、現在の社会における諸問題に対し歴史的な視点をもって考察していく力を身につけることをねらいとする。本授業では主として日本の近代及び現代の歴史を扱っていくが、ここでは暗記型の歴史ではなく、自ら歴史認識を形成し、さらには発掘していく姿勢を持つことが重要な課題となる。

【到達目標】

�@現在の社会における諸問題を複眼的に考察し、さらに今後の社会のあり方を模索していく力を身につけることができる。 �A歴史を発掘していく姿勢や、そのように歴史と向き合うことの重要性を他者に伝えていくことができる。

【授業計画】

　本授業では、近・現代という時代に対するイメージやその時代に生きた人びとに対する共感能力を養うことが必要になる。そのためには、多くの史・資料や文献に触れることが欠かせない。本授業の中でできる限り多くの史・資料や文献の紹介をしていくが、現在の社会における諸問題と照らし合わせて考察していくうえでは、自ら現在のニュース等を意識して観察することも求められる。

週	内容
1	オリエンテーション　　―歴史的視点をもつということ―
2	近代の日本(1)　　　　　―明治期の子どもや若者の暮らしを中心に―
3	近代の日本(2)　　　　　―大正期の子どもや若者の暮らしを中心に―
4	近代の日本(3)　　　　　―戦間期の子どもや若者の暮らしを中心に―
5	近代の日本(4)　　　　　―戦時中の子どもや若者の暮らしを中心に―
6	現代の日本(5)　　　　　―戦後の子どもや若者の暮らしを中心に―
7	近代に生きた女性たち(1)　―良妻賢母思想をめぐって―
8	近代に生きた女性たち(2)　―大正期の「母性保護論争」から―
9	近代に生きた女性たち(3)　―男性の体育・スポーツとの違いから―
10	近代に生きた男性たち(4)　―学校制度図から―
11	近現代の人びとの悩みについて　―それぞれの時代の「身の上相談」から―
12	就職に関する近現代史
13	自殺の近現代史
14	健康に関する近現代史
15	まとめ

【履修上の注意（含予習・復習）等】

　授業の中で配付した史・資料、紹介した文献を読み、理解を深めること。また、質疑応答には主体的に発言し活発な議論をすること。

【成績評価の方法と評価割合（％）】

　授業毎のレポート内容（60％）�@�A、課題提出物（10％）�@�A、期末試験（30％）�@�Aを総合して評価する。

【テキスト・参考文献】（テキスト◎、参考文献（推薦）○）

　○桜井哲夫,1991『「近代」の意味　制度としての学校・工場』ＮＨＫブックス
○天野郁夫,2006『教育と選抜の社会史』ちくま学芸文庫

　○深谷昌志,1998『良妻賢母主義の教育』黎明書房
○山住正己,1995『日本教育小史―近・現代―』岩波新書