【シラバス基本情報】
科目名 | こどもと言語Ⅰ<母語の習得> | |
担当教員 | 浅野 敬子 | |
配当年次 | 2年 | |
履修方法 | 選択必修 | |
開講時期 | 前期 | |
授業形態 | 講義 | |
単位数 | 2 | |
備考 |
【授業目標】
母語習得の基礎的な段階としての言語獲得の過程とそのメカニズムについて、言語心理学・言語発達心理学の視点から理解する。
【到達目標】
言語獲得のメカニズムについて、社会関係の形成、音韻獲得、表象機能の獲得など、多様な側面から理解することができること。家庭教育及び幼児・初等教育場面における、適切な言語発達環境設定を含めた教育プログラムを提示することができる。
【授業計画】
こどもの言語習得過程とそのメカニズムは、こどもの動作や明確な意味を持たない発声などを中心とした、いわゆる「前言語的段階」から理解していく必要がある。このような活動が組み立てられ言語が準備される乳児期から、こどもの言語活動の原初となる様々な活動のあり方と、それを支える周囲の人間の働きかけなどの環境条件、語彙・概念の形成過程と文法構造の獲得などについての仕組みについて理解できるようにする。言語発達の障害についてもその多様なあり方、発生のメカニズム、発達支援の方法について理解を深める。
週 内容 1こどもの言語生活とその獲得及び言語発達の障害 2コミュニケーション障害と言語発達障害 0歳児における言語獲得の準備段階を中心に 3こどもの言語獲得の主要な側面 単語の切り出し 4こどもの言語獲得の主要な側面 モノの名前の学習 5こどもの言語獲得の主要な側面 固有名詞・抽象度の異なるカテゴリーの名前・物質名の学習 6こどもの言語獲得の主要な側面 動詞の学習 7こどもの言語獲得の主要な側面 形容詞の学習 8こどもの言語獲得の主要な側面 助数詞の学習 9こどもの言語獲得の主要な側面 擬態語の学習 10言語構造と語彙獲得 日本語を中心に 11言語構造と語彙獲得 英語および中国語を中心に 12こどもによる語彙の構築 13外国語における語彙の学習 14文字および書写の習得と言語獲得 15まとめと学期末試験
【履修上の注意(含予習・復習)等】
こどもが第2言語などを学ぶことについても視野に入れながら言語習得の問題について取り組むようにしてほしい。
【成績評価の方法と評価割合(%)】
第5回目および第10回目における小テストにそれぞれ30点を、期末試験に40点を配点し、合計点により評価を行なう。
【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)
◎今井むつみ・針生悦子 言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで ちくま学芸文庫
○やまだようこ 『ことばのまえのことば』 新曜社
○安野光雅 ほか『にほんご』福音館○マイケル・トマセロ著 『ことばをつくる』 慶應義塾大学出版会