【シラバス基本情報】

科目名 こどもと人権
担当教員 高橋 正教
配当年次 4年
履修方法 選択必修  
開講時期 前期
授業形態 講義
単位数 2
備考  

【授業目標】

 こどもの人権に関わる様々な問題状況とその基本的な理解の上に、人権保障のための教育のあり方について、特に小学校の場合を中心に考察する。子どもの人権およびさまざまな人権問題の現実と、それについての学習を行い、教育活動としてどのように組織したらよいのかについて考察する。さらにそれらの学習を通して、学生自身の人権意識を自ら問うことがこの授業のもっとも主要なねらいである。

【到達目標】

 こどもの人権状況についての理解を深めるだけでなく、人権教育のさまざまな実践方法について実践的に学び、その方法を理解し実践に活かせるようにすることが目標である。講義科目でありながら自らが人権教育の実践主体としての自覚と実践力量の端緒を形成することが求められる。

【授業計画】

 こどもと人権については多くの課題があるが、本授業では、多様な人権を尊重するための今日的観点、こども自身の抱える人権問題とその背景の考察、および人権学習・人権教育に必要な視野について学ぶ。
 グループ活動は、小学校の人権教育の実践例の検討に基づくグループ報告と討論によって人権教育の実際について実践的に考察する。
 必要に応じてビデオ・新聞記事などにより、リアルなこどもの人権状況についての学習を行う。

内容
1
導入(授業の進め方、グループ分け)、こどもの人権を考えるために
2
人権をめぐる現代的状況
3
人権教育実践事例の検討(グループ報告と討論)アクティビティ(典型モデル)実践、学級会型実践
4
人権教育実践事例の検討(グループ報告と討論)CAPプログラム実践、紙上討論実践
5
人権教育実践事例の検討(グループ報告と討論)子ども裁判実践、人権問題学習実践
6
人権教育実践事例の検討(グループ報告と討論)平和教育実践、バルーンアクティビティ実践
7
人権教育実践事例の検討(グループ報告と討論)自然学習実践、国際理解実践
8
グループ報告のまとめ(各グループ報告に対する参加者からの意見の検討)
9
共生・共存と当たり前の社会の探究
10
人権尊重のために必要とされる観点
11
こどもの人権をめぐる問題状況
12
こどもの権利保障の歩みと「子どもの権利条約」
13
人権教育の目的・目標と基本原則
14
日本の人権教育の歩み
15
人権教育の捉え方と課題(まとめ)

【履修上の注意(含予習・復習)等】

 参加型の授業を行うので、グループの発表報告とその後の取り組みが重要である。教育実習と時期的に重なるので、一部の学生に依存せずに各自の分担責任をはっきりさせて取り組むことが必要である。
 また、できるだけ小学校における教育実習をイメージしながら、実習で実際に自ら実践するという自覚をもって学ぶ姿勢が重要である。

【成績評価の方法と評価割合(%)】

 毎回の授業で本日の課題を出し自分の見解の記述を求める(40点)。別途期末レポートを課す(60点)。レポートの評価は、子どもと人権に関わる社会的理解と客観性(60%)、および、各自がどれだけ人権問題を自分の問題として捉えているか(40%)ということがポイントとなる。

【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)

 プリントを配付する。

 人権教育の実践事例及び新聞記事などを検討素材として適宜配付する。