【シラバス基本情報】

【授業目標】

　この「食品衛生学」の前半では､食品安全基本法や食品衛生法などについて取り上げ､我が国における食品の安全と衛生行政の仕組みを理解する｡また､管理栄養士､食品衛生監視員や食品衛生管理者として知っておくべき食中毒や寄生虫症などに対する食品衛生管理（一般衛生管理、HACCP等）の知識を身につける｡後半では､病原性微生物や有害物質による食品汚染とその防止法のほか､食品添加物の種類や用途､安全性を理解する｡また､食品表示の見方についても理解し､良質で安全な栄養・食事管理に応用できるようにする｡

【到達目標】

　�@　我が国の食品安全・衛生行政に関する仕組みを理解し、食品衛生の基礎知識を身につける。
　�A　微生物性食中毒、自然毒食中毒、寄生虫症について、病因物質、原因食品、臨床症状、予防対策などにつ
　　いて理解し、栄養士・食品衛生管理者として食品を取り扱う立場において必要となる知識を身につける。
　�B　食品添加物の種類、安全性評価の仕組み、食品表示の方法についての知識を身につけ、確かな食品選びが
　　できるようにする。

【授業計画】

　食品安全・衛生行政については、食品安全基本法や食品衛生法を中心にその目的と役割を、微生物性食中毒、植物性・動物性自然毒食中毒、寄生虫症については、発生原因、原因食品、臨床症状、予防対策などについて学習する。また、食品添加物については、安全評価やその利用方法のほか、食品表示ラベルの見方についても取り上げ、賢い食品選びができるようにする。

週	内容
1	食品安全・衛生行政　 ：食品安全・衛生行政の歴史、食品衛生法について
2	：食品の監視と指導、食品の安全確保、JAS法、その他関連法規
3	食品衛生と微生物　　 ：食品と微生物の増殖因子について
4	食品の腐敗と変敗　　 ：揮発性塩基窒素（VBN）とＫ値、過酸化脂質
5	食品公害事件　　　　 ：有機水銀、カドミウム、PCB、ヒ素等による中毒事件
6	食品中の有害物質　　 ：有害金属、調理課程で産生される有害物質
7	食中毒統計　　　　　 ：近年の食中毒の発生状況、発生件数、病因物質の比較　（中間試験）
8	細菌性食中毒　　　　 ：サルモネラ属菌、カンピロバクター、ウエルシュ菌食中毒など
9	ウイルス性食中毒　　 ：ノロウイルス食中毒など
10	原虫症・寄生虫症　　 ：アニサキス、日本海列島条虫、クドア・ザルコ食中毒の原因と予防対策
11	自然毒食中毒　　　　 ：毒魚、毒キノコなどの自然毒食中毒
12	食品添加物　　　　 　：安全性評価の方法
13	：添加物の種類と使用目的
14	新規技術を用いた食品　：遺伝子組換え作物の安全性、表示方法、ゲノム編集食品など
15	食品表示の見方　　　 ：食品表示法、食品表示ラベルのチェックポイント

【履修上の注意（含予習・復習）等】

　毎回、資料を配付し、パワーポイントやビデオを使いて授業を実施する。テキスト及び配布資料を用いて、予習・復習に心がけ要点をしっかり理解すること。授業は対話型で行うので、積極的に参加すること。分からないところは、その都度（授業中でも）質問すること。 食品表示の仕組みについても取り上げるので、食品表示ラベルをたくさん集めておくこと。
　なお状況に応じて、対面授業と遠隔授業を組み合わせた授業を行う場合がある。

【成績評価の方法と評価割合（％）】

　筆記試験（中間テスト；50％・期末テスト；50％）を実施。�@�A�Bにより評価する。合計60点以上で合格。

【テキスト・参考文献】（テキスト◎、参考文献（推薦）○）

　◎小塚　諭　編著『イラスト食品の安全性』（東京教学社）ISBN: 9784808260781