【シラバス基本情報】

【授業目標】

　この授業では、将来、病院や老人保健施設などの栄養士・管理栄養士として、また検疫所や保健所で食品衛生監視員として働く場合に必要な病原微生物の微生物学的および感染症学的基礎知識を身につける。代表的な感染症に加え、近年問題となっている院内感染・日和見感染・菌交代症などの原因, 対処法、病原微生物に対する適切な滅菌法や消毒法を理解する。さらに我々の感染防御機構や感染症の予防対策であるワクチン（予防接種）の種類と有効性や感染症対策の重要性について理解し説明できるようにする。

【到達目標】

　�@　感染症の発症と宿主との相関関係、感染様式や治療法などの知識を身につける。
　�A　病気（感染症）を予防するワクチンの知識や、微生物に対応した滅菌法消毒法などの知識を身につける。
　�B　感染症を予防する能力（生体防御機構・免疫）について理解し、説明できる。

【授業計画】

　病原微生物の羅列と解説を主体とした授業ではなく、感染症の発症と宿主との因果関係、感染様式と対策、治療法、予防法などとを関連づけて解説する。

週	内容
1	微生物学及び感染症学の基礎
2	感染症法：感染症と病原体の区分
3	病原性 - 病原性因子 （内毒素, 外毒素, エフェクター）
4	生体防御機構
5	アレルギー, 免疫疾患
6	予防及び制御 - 殺菌, 消毒, ワクチン
7	感染症の検査と診断
8	感染症に用いる治療薬
9	医療施設や老人施等における感染予防対策
10	感染症各論(1) 細菌1：化膿性レンサ球菌感染症、ピロリ菌感染症、淋菌感染症など
11	感染症各論(2) 細菌2：レジオネラ肺炎、結核、梅毒、リケッチア、クラミジアアなど
12	感染症各論(3) ウイルス1：口唇ヘルペス、水痘、帯状庖疹、流行性耳下腺炎など
13	感染症各論(4) ウイルス2：肝炎、ポリオ、AIDSなど
14	感染症各論(5) 真菌, 寄生虫, プリオン：カンジダ症, クロイツフェルトヤコブ病など
15	話題の感染症（STD・新型インフルエンザ・子宮頸がんなど

【履修上の注意（含予習・復習）等】

　資料を配付し、すべての授業でパワーポイントやビデオを使った授業を行う。参考書及び配布資料で予習・復習に心がけ要点をしっかり理解すること。
　自己学習で不明な場合は、日頃から積極的に質問に来ること｡
　なお状況に応じて、対面授業と遠隔授業を組み合わせた授業を行う場合がある。

【成績評価の方法と評価割合（％）】

　筆記試験（期末テスト；100％）にて、�@�A�Bの達成度を判定する　

【テキスト・参考文献】（テキスト◎、参考文献（推薦）○）

○南嶋洋一、吉田真一著　疾病のなりたちと回復の促進４『微生物学』(医学書院)　ISBN: 978-4-260-04702-9
○医療情報科学研究所 編集 病気が見える6 「免疫・膠原病・感染症」 (メディックメディア)　ISBN:978-4-89632-720-5
教科書ではなく参考書とするが、理解を深めるためには『微生物学』(医学書院)の購入が望ましい。