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株式会社NAORICE 代表取締役 起業・開業 |
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| 近藤 匠(農家のKT) さん | こんどう たくみ | |
| 平成26年度健康スポーツ科学科卒 / 愛知県 | ||
| お米の価値を再定義し、日本の未来を耕す。 | ||
近藤 匠さんについて
愛知県半田市を拠点に、兄弟でお米づくりに取り組む若手農家です。株式会社NAORICEの代表取締役を務めながら、「農家のKT」としてSNSで農業の魅力を発信し、総フォロワー数は10万人を超えています。2023年には、半田市とコラボレーションした田植えイベントを主催しました。同じく2023年4月に始動した「KT酒米プロジェクト」では、自ら育てた酒米を県内の3つの酒蔵(義侠・二兎・敷嶋)がそれぞれ日本酒に仕上げており、2026年はその最終年にあたります。
🌾祖父の一言と、農業の「3K」への反骨心
僕の農業の原点は、幼い頃から身近にあった、農家としての祖父の姿です。亡くなる前の祖父の一言がきっかけとなり、大学卒業後に農業機械メーカーで経験を積んだあと、先に就農していた兄の背中を追って、2019年に新規就農しました。
期待を胸に飛び込んだ農業界で目の当たりにしたのは、高齢化による衰退と、農家自身が自信を失い、次の世代へ継ぐことを諦めている姿でした。世間には「キツイ・汚い・稼げない」という「3K」のイメージが広がっていて、僕はその状況にどうしても納得がいきませんでした。
こんなにも自然と密接で、魅力にあふれた農業の、ネガティブな面ばかりが若者や子どもたちに伝わってしまう。その現状を変えたいという反骨心が、今の情報発信の原動力になっています。
🌾お米が「新しい価値」に生まれ変わる瞬間がたまらない
今は、種まきから収穫、販売までを自社で一貫して手がけ、30町歩(約30ヘクタール)を超える田んぼでお米を育てています。環境への負荷を減らすために有機肥料だけを使い、夏の炎天下でも手作業で雑草を抜くなど、農薬を使わない・減らす米づくりにこだわっています。
楽なことばかりではありませんが、心から楽しいと思える瞬間があります。ひとつは、SNSを通じて農業のイメージがひっくり返る瞬間です。若い世代から「農業のイメージが変わった」と言ってもらえたり、同業の農家さんから「KTの投稿を見て自信がついた」と声をかけてもらえたりすると、発信には意味があるんだと胸が熱くなります。
もうひとつは、自分のお米が新しい価値に生まれ変わる瞬間です。「KT酒米プロジェクト」では、僕が育てた酒米「夢吟香」を、地元の酒蔵の皆さんが日本酒に仕上げてくださいました。また、「不安なときにも美味しいお米を食べてほしい」という思いから、水やお湯がなくても食べられて5年間保存できる防災用おにぎりを開発しました。青森県弘前市のりんご農家さんが洪水被害に遭ったときには、SNSで署名と義援金を呼びかけ、1300名以上の方々の想いを弘前市役所に届けることもできました。

🌾「正しい貢献」と「稼げる農業」を両立させたい
これまでの挑戦を通して確信したのは、農業にはまだ計り知れない可能性が眠っているということです。これからは、社会への「正しい貢献」と、農家自身が豊かになる「持続可能な経済価値」を、高いレベルで両立させることに挑戦したいと考えています。
環境に負荷をかけない米づくりや、防災用おにぎりによる災害への備えを続けていきます。あわせて、2025年8月に設立した「百姓ラボ合同会社」を拠点に、「お米のお兄さん」として都市部の子どもたちへの食育にも力を入れていきます。
一方で、どれだけ意義のある活動でも、農家が経済的に自立できなければ、次の世代にバトンは渡せません。加工品で付加価値を高めたり新しい販路を開いたりして、「農業はしっかり稼げるし、かっこいいビジネスだ」という背中を若い世代に見せたいと思っています。半田市主催の農業フォーラムでは、スタートアップ企業や投資家の皆さんに向けてリバースピッチを行いました。これからも他産業のアイデアや技術を積極的に巻き込みながら、次世代が憧れる農業をつくっていきます。

🌾たった6人から始めたサッカー部が、僕の原点
至学館大学で最も力を注ぎ、今の自分に一番活きている経験は、男子サッカー部をゼロから創り上げたことです。
スタート時の男子メンバーは、たったの6人。最初は女子サッカー部の練習に混ざるような形で、小さな同好会として始まりました。公式戦に必要な11人すら揃わないなかで部員を集め、練習場所を確保し、愛知県のリーグに登録しました。正式な部活動として大学に認めてもらうまでの道のりは、泥臭く、壁にぶつかってばかりでした。
それでも、「辛い」より「楽しい」という気持ちが圧倒的に勝っていました。仲間と知恵を出し合い、自分たちの手で組織の歴史の1ページ目を刻んでいく喜びは、他では味わえないものです。苦労の末に初めて公式戦に出場できたときの胸の震えも、仲間と分かち合った大切な思い出です。
この「ゼロから1を創る経験」と「仲間と困難を乗り越える力」は、今の会社経営にそのままつながっています。前例のない道を手探りで進むのは、あのサッカー部を作ったときと同じです。僕の開拓者精神は、至学館大学のグラウンドで、6人の仲間とボールを蹴り始めたあの日から始まっています。
🌾客観的な意見に怯えるな、コモングッドを探せ
在学生の皆さんに一番伝えたいのは、「とにかく自分主観でいいから行動しろ、チャレンジしろ」ということです。
何か新しいことを始めようとすると、「それってどういう意味があるの?」と論理的な説明を求められがちです。でも、最初から完璧な論理や意味づけなんて必要ありません。そんなものは、後からいくらでもついてきます。一番大切なのは、「自分がこう思うからやるんだ」という内なる衝動に素直に従い、恥ずかしがらずに行動に移すことです。他人の基準だけで動いていると、社会に出て大きな壁にぶち当たったとき、ブレない軸がないために簡単に挫けてしまいます。だからこそ、客観的な意見に怯えないでください。
そして、人生で最も自由で時間がある「今」だからこそ、自分自身と深く向き合い、「コモングッド(共通善・社会全体の利益)」を探してほしいのです。「自分はこの社会において何ものなのか?」「本当は何になりたいのか?」。社会に出ると、こうしたことをゆっくり考えられる時間は驚くほど限られてしまいます。自分の中の「やりたいこと」を見つけたら、あとは失敗を恐れず、自分主観で圧倒的な行動を起こしてください。皆さんが社会に新しい価値を生み出す開拓者になっていくことを、心から応援しています。

INFORMATION
HP:https://naorice.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/kt_naorice/
お米ショップ:https://x.gd/nuoYa5
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