野球のコーチをしていた母の影響で小学校から野球を始め、中学校では野球部に所属していた。
高校時代は陸上部に所属し、大学時代はハンマー投げで西日本インカレに出場した。

学生生活は、とりあえず楽しければいいというタイプで、将来のことについてあまり考えたこともなく、どちらかといえばちゃらんぽらんだったように思う。けれども、飲食店のアルバイトが楽しく「起業したら楽しそう」という漠然とした思いは抱いていた。

就職活動では、20社ぐらいから内定をいただいた。人と関わることが好きだったこともあり、コミュニケーション力を問われる営業職を選択した。

トヨタ自動車の販売店に就職し、コミュニケーション能力のスキルを身に着けるため、自ら個人宅の訪問販売を希望した。
しかし、数百万円の車を一台売っても、自分に入ってくる報酬は数千円という世界。頑張ったら評価されるのが当たり前だったスポーツの世界から、頑張っても評価されないという腑に落ちない壁にぶちあたった。入社半年で、とりあえず辞めた。

自分は他人（ひと）の下に遣えるのは向いてないと悟った。そして、学生時代に漠然と抱いていた「起業したら楽しそう」という思いが強くなっていった。

とはいえ、一人では怖かったため一緒に辞めた3人を誘い、4人で広告代理店を起業した。だが、何もわからない素人が起業して上手くいくわけもなく、数百万円の借金を残し、4人は仲間割れして解散した。

信頼関係が崩れ悩んでいた頃、大学時代からお世話になっていた先輩に相談した。先輩は、私の話を親身になって聞いてくれ、「貴都のためなら...」とそっと現金を差し出してくれた。

さすがに受け取ることはできなかったが、「自分のことを大切に思ってくれる人がいる。自分も大切な人を守れるような人になろう！」そう心に決めた。

モノづくりが盛んな愛知県。中小企業は資本投資が厳しいことから機械化も難しい。そのうえ、人材確保に苦慮していることに着目し、外国人雇用者をメインにした「人材派遣会社」を立ち上げた。

愛知県を拠点に東京にも支店を立ち上げ、1年半ほどで軌道にのった。ところが、ある雪の日、70人派遣した外国人労働者が2人しか出勤しないという、まさかの事態に遭遇した。文化の違いによるトラブルが発生し、昼夜問わず対応に追われ、外国人を扱うことの大変さを思い知った。

稼いだお金は使いたい放題、そんな生活を送っていた。ある時、あるご夫婦との出会いがきっかけで、お金の本質や使い方の大切さに「気づき」を得た。そして、お金について無知で無頓着ではいけない、学ぶ機会を増やそうと金融業を立ち上げた。

どんな時でもいろんな他人（ひと）と出会うこと、話すことを大切にしてきた。他人（ひと）との出会いがきっかけとなり、次のチャレンジに繋がるヒントを得ることができた。