栄養科学科 教育方針(3つのポリシー)

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

<教育の目標と特色および求める人間像>
 栄養科学科は、『健康づくりのための栄養指導者として豊かな人間性と栄養・運動に関する高度な専門知識を身につけ、人々の健康実現に寄与・貢献できる人間力の育成』を教育目標としています。
 また、本学科は、栄養士・管理栄養士養成課程並びに栄養教諭免許の取得課程を有するとともに、健康運動実践指導者の資格取得も可能で、将来、病院、福祉施設、学校及び企業(スポーツ関連施設を含む)等において健康指導を行うための栄養や運動に関する高度な専門知識と実践力を身につけるための特色ある教育を展開しています。
 そのため、栄養科学科では強い目的意識のもとに次のような志のある人を求めています。

1 栄養科学に関する高度な専門知識及び技術を身につけ、人々の健康づくりに寄与・貢献できる管理栄養士を目指す人。
2 栄養と運動・スポーツとの関わりについて関心をもち、将来、スポーツチームやスポーツクラブ等の運動・スポーツの分野で管理栄養士を目指す人。
3 疾病の予防・治療と栄養との関係について関心をもち、将来、病院や福祉施設等の臨床栄養の分野で管理栄養士を目指す人。
4 子どもの食育に関心をもち、将来、保育所・幼稚園の栄養士や小・中学校の栄養教諭を目指す人。
5 食品の調理、加工や機能性成分等に関心をもち、将来、給食現場での食事提供サービスのほか、食品関連企業での品質管理や商品開発等を目指す人。

<受験生に求める学修内容と入試における評価観点>
 本学科で学ぶにあたっては、高等学校までに生物や化学、家庭科などに関連する科目から「ヒトの体の構造と機能」、「物質の構造と性質」、「栄養」などについてしっかりと学んでおくことを望みます。
 入学試験では、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」について、以下のような観点で評価します。
1. 知識・技能
 食物や栄養に関する専門的知識や技能を学修するためには、高等学校等の教育課程において幅広く学んでいることが重要です。
 入学試験では、栄養科学科で学ぶための基礎となる国語、数学、英語のほか、生物、化学などの基礎知識・技能をどれだけ身につけているかによって判定します。
2. 思考力・判断力・表現力
 栄養指導を行うためには、対象者の健康状態や食事摂取状況等を的確に把握した上で必要な改善・方策について思考・判断し、対象者に対して適切に表現しながら伝える能力が重要です。
 入学試験では、これらの思考・判断・表現力等を修得するための基礎的な能力がどれだけ身についているかによって判定します。
3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
 栄養の指導者として社会に寄与・貢献して行くためには、栄養科学に関する専門知識を修得するのみでなく、人々の健康増進や疾病予防に関する課題発見やその解決のために積極的に取り組み、他者と協働して学ぶ姿勢が必要です。
 入学試験では、これらに関する専門知識や技能を学ぶために積極的に取り組む姿勢・態度をもっているかどうかによって判定します。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)

 栄養科学科では、教育目標並びにディプロマ・ポリシー(学位授与方針)を達成するため、専門教育科目として以下の13の科目群を体系的に配置する。なお、低学年においては、少人数教育により学生個々の学習状況を把握するとともに、教養科目と専門教育科目の連関を良くするために専門基礎演習科目を設置する。
 専門教育科目としては、人間の営みを食物(栄養)と健康の観点から科学的に捉えることを基本とし、健康の保持・増進と疾病(特に生活習慣病)の予防を目的とした栄養学や、傷病者に対する栄養指導を目的とした栄養学を学ぶとともに、適切な栄養アセスメントやそれにもとづく栄養ケアプランの作成・実施・評価の総合的なマネジメントができ、かつ運動指導も可能な健康指導者(管理栄養士)を養成するためのカリキュラムを講義、実験、実習及び演習科目を組み合わせて体系的に編成する。
 また、スポーツ栄養学や健康運動学に関する授業科目も配置して健康科学部栄養科学科としてのカリキュラムの特色化を図る。

科目群

健康科学
(学部共通)
健康の重要性やそれを保持・増進させるための運動、栄養、休養(リフレッシュ)に関する広範な知識を身につけるために、加齢による心身の変化を含めた身体的、精神的、及び社会的な健康に関する総合的な知識を修得するための科目群。
栄養学 栄養とは何か、その意義を理解するとともに、健康の保持・増進、疾病予防・治療における栄養素の役割を消化吸収、体内動態、及び代謝調節の観点から理解する。また、年齢、身体状況や栄養状態に応じた栄養管理(含栄養アセスメント)についての専門的な知識を修得するとともに、実践力を身につけるための科目群。
また、栄養と運動・スポーツとの関わりについても理解し、対象者の特性や目的(健康づくり、競技力向上など)に応じた、栄養ケアプラン及び運動プログラムの作成・実施・評価に関する総合的なマネジメントについての知識を修得するとともに、実践力を身につけるための科目群でもある。
食品学・
調理学
食品中に含まれる各種成分(栄養成分、嗜好成分、機能性成分等)についての基礎的な知識とともに、食品群別及び食品毎の栄養特性や調理・加工等による変化、並びに実践に即した調理・加工技術等を修得するための科目群。
保健・衛生学 人々の健康の保持・増進と社会及び環境との関わりを理解するために必要な社会的課題としての保健・医療・福祉等について、基礎知識並びに環境因子について理解する。
また、社会的諸制度としての衛生行政、衛生法規、地域保健対策等について理解するとともに、食品の表示や食品衛生に関する基礎的な知識と実践力を身につけるための科目群。
解剖生理・
生化学
人体の構造と機能について系統的に理解するとともに、生体を構成する物質(生体分子)の構造、機能、動態を医学・生化学的に理解し、ヒトの身体の仕組みや働きについて基礎的な知識を修得するための科目群。
病態学・
臨床医学
栄養・食生活に関連する疾病などの成因、病態生理、症候と診断(病態評価)、治療法について学習し、それらを人体の構造と機能に関連づけて説明できるようにするための科目群。
臨床栄養学 傷病者の病態や栄養状態にもとづき、適切な栄養マネジメントを行うために、栄養ケアプランの作成・実施・評価に関する総合的なマネジメントの考え方を理解し、具体的な栄養状態の評価・判定、栄養補給計画、栄養教育などが実践できるようにするための科目群。
公衆栄養学 地域や職域等における健康・栄養問題とそれを取り巻くさまざまな要因に関する情報を収集・分析する力を身につけるとともに、あらゆる健康・栄養問題を抱えている人に対しての栄養ケアプログラムの作成・実施・評価を総合的にマネジメントできる能力を養うための科目群。
栄養教育 個別又は集団の健康・栄養状態、食行動、食環境等の評価・判定にもとづいた栄養教育プログラムの作成・実施・評価を総合的にマネジメントする方法を学び、実践的に展開できる能力を身につけるための科目群。
給食経営管理 特定多数の人々の健康状態・栄養状態の改善、維持・向上、QOLの向上を目標とした栄養・食事管理を効率的、かつ効果的に継続して実施していくためのシステム及びマネジメントについて、経営管理の理論にもとづいて理解し、それを実践できるようにするための科目群。
健康運動学 運動による生理学的反応や運動が身体に及ぼす影響等に関しての知識を修得するとともに、健康づくりのための運動処方等についての実践力を身につけるための科目群。
臨地実習

実践活動の場(病院その他の施設)における課題発見と解決をとおして、栄養評価・判定にもとづく適切なマネジメントを行うために必要な専門知識と技術の統合を図るための実習。

演習・研究 低学年では、専門分野に関する広範で多様な基礎演習を行って食と健康に関する興味・関心を高め、高学年では、修得した栄養科学の知識をもとに、応用力、実践力、科学的思考力、及び自己研鑽力を身につけるための科目群。
その他 栄養教諭や健康運動実践指導者資格取得に必要な科目群。

ディプロマ・ポリシー

栄養科学科では、教育目標を達成するために、学科が定める所定の単位を修得し、以下の能力を身につけた学生に対して学士(栄養科学)の学位を授与する。

1 栄養科学に関する専門知識を身につけ、科学的な視点から食と健康に関わる課題を探求し、問題解決のために取り組むことができる。
2 栄養と運動についての幅広い専門知識を身につけ、人々の健康づくりに寄与することができる。
3 ライフステージごとの栄養管理から各種疾病の予防・治療に至るまでの食と栄養に関わる専門的な知識を身につけ、栄養士又は管理栄養士として人々の健康づくりに寄与することができる。
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